アメリカのCRNAについて

日本ではまだまだ認知度が低い周麻酔期看護師ですが、アメリカにおいては、麻酔看護師(認定麻酔看護師・CRNA)は一般的な存在として浸透しています。実際、日本の周麻酔期看護師は、アメリカのCRNAをモデルとして誕生したという背景があります。

CRNAは、Certified Registered Nurse Anesthetistの略語であり、高度実践看護師(Advanced. Practice Registered Nurse)の一種です。活躍できる場が広く、各種ライセンスの中でも特に収入が良い役割であり、注目されています。

アメリカでの麻酔看護師の歴史は古く、150年以上にわたると言われています。1800年代に起きたアメリカ市民戦争中の戦場で、看護師が麻酔医療を初めて提供したことに端を発し、現在ではアメリカ軍隊で提供される麻酔医療は、ほぼCRNAが担っています。州によっては、医師の監督がなくてもCRNAは完全に自立して麻酔医療を提供できるようになっています。一方、日本の周麻酔期看護師の場合は、麻酔科の指示や監督の下で業務を行なうことが原則です。

CRNAは、現場で麻酔医療に関する幅広いケアに対応します。具体的には、まずは術前訪問をし、カルテや検査、画像診断の結果を検討、患者さんの状態についてのアセスメントを行い、麻酔投与のプランを立てることから始まります。そして麻酔の禁忌、副作用、回復の過程などについて患者さんに説明するのもCRNAの仕事です。そして硬膜外麻酔、脊髄麻酔、神経ブロックなどさまざまな麻酔を投与します。術中のバイタルの観察も行い、麻酔の量を調整、呼吸の管理などを任されます。

CRNAと日本の周麻酔期看護師の一番の違いは、前者が麻酔科医が担うような業務に対応しているということでしょう。そのため、現地の麻酔科医はCRNAを後ろから見守り、動かすような役割を担っているといいます。